最終章は、ドイツ留学から日本に帰国するきっかけや、日本に帰国してから現在の仕事に就くまでどのような活動をしたのかをインタビューしました。
ドイツや海外留学を考えている人たちに向けたアドバイスもいただきました。
これから海外挑戦する方や社会人で何かモヤモヤしている方にも、是非読んでいただきたい記事になっています。
※麦さんについてやmenschについては【第一弾】の冒頭に記載されています。
帰国のきっかけ

日本に帰国するきっかけや、そのタイミングについてお聞きしてもよろしいでしょうか?

決断したのは2019年12月くらいですね。最初は帰国しようというか、別の道を探そうと思いました。サッカーや分析を突き詰めた結果、判断や意思決定のスポーツだと言われていることに気付きました。判断や意思決定ってピッチの中では連続してありますよね。ただそれって結局その試合の時間に限られますよね。1日24時間の中で言えばたったの90分です。じゃあ残りの22.5時間は意思決定していないのかって言うと、そんな人はいないですよね。こう意識するようになり、1日の大半の時間の意思決定がサッカーに影響すると感じました。

たしかに。言われてみればそうですね!

陸上と一緒で普段の歩き方が走る姿勢に影響してくるように、ピッチの中だけで修正しようとしても手遅れというか。。。サッカーでいい結果や影響を作りたいとなったら、日常生活にアプローチする必要があると思いました。そこでドイツで学べることは学んだと感じました。

なるほどですね!

じゃあスポーツの現場に戻ることが自分のやりたいことなのかなって考えた時に、そうではないと感じて、ビジネスの世界に戻りこれを活かせるところを見つける方がいいのではと思うようになってきたと言うのがきっかけです。日本に帰国したのはちょうどコロナの感染者が初めて現れた時です。もう一回ドイツに戻ろうかと考えたこともありましたが、
コロナの影響もあり意思決定が早まったという感じです。

コロナ。。。やっぱり少し影響はあったんですね。
帰国後の就職先に見込みはあったのか

帰国前は就職先の目処はありましたか?

ゼロですw日本に帰国して2日後に転職エージェントに行き相談しました。いわゆる普通に就職活動をもう一回やりました。
「俺、ドイツから帰ってきたんですけど、何か仕事ありますか?」って、そんな言葉から入りましたねwそこからSPIやったり、履歴書書いたりとコツコツやりましたね。

そうなんですね!
就職活動ではドイツに行った理由や、留学での経験などはよく聞かれましたか?

聞かれましたけど、思ったよりは聞かれませんでしたね。もっと言ってしまえば、転職活動においてドイツに行ったことはあまり評価されたというわけではなかったですね。その時は特に評価されるスキルを持っていた訳ではありませんし。まぁ一年ちょいくらいドイツに行ってましたっていうような伝え方ですね。

やっぱり中途採用だと「何ができるの?」というところで評価されるからドイツに留学しただけだとあまり評価されなかったということなんでしょうか?

んー、ドイツの経験は話のネタとしては活きましたね。
データ分析をやりたくて、そのためにドイツでも行動していました。っていう感じですね。結局転職活動では、インターネット関連会社とSIer職とスローガン株式会社と3つの選択肢を得ることができました。インターネット関連会社はデータマーケティングという職種で、今までの法人営業の経験とデータ分析を掛け合わせた職種でした。SIer職の会社は前職の金融業界と法人営業の経験で採用されたような感じなので、ドイツはあまり関係ありませんでしたね。
ドイツ留学後の就職先へのこだわり

面接みたいになってしまって申し訳ありませんが、今の会社に決めた決断とはなんでしょうか?

そうですね。。。
インターネット関連会社を選んでも、SIerの会社を選んでも、1社目と同じになると思ったからですかね。(1社目を選んだ理由については「第一部」の記事を参照)
自分って何したいんだろうって考えた時に浮かんだのがスローガン株式会社だったし、あとは一番何するのかわからなかったというのもありますね!
決して他の選択肢が悪かった訳ではなく、一番は過去の意思決定と比較したということと、3社の中で企業規模を考えて先が読めなそう、ワクワクするという気持ちになり選びました。

これまでのお話をお聞きしていると、もし日本で普通に転職活動していたら選ばなかったかもしれない選択肢ですね。

絶対選ばなかったですねwww会社のリストを見ている時に目に止まったのが今の会社でした。なので選んだ時はそこまで深く会社のことを知っていた訳ではありませんでした。東京海上日動を経て、ドイツに留学した自分がいたから選んだと思います。

と言うことは、その時点でドイツへの留学経験は活かされていますね!

かなり活きていると思います!
そもそもスローガン株式会社という会社がターゲットにしている学生は王道と違う道を選択する学生だったりもするので。
ドイツ留学経験から現在活きていること

なるほど。面白いですね!
就職活動の際にドイツ留学の経験が活きたことを話していただきましたが、今現在の生活で留学経験が活きていることはありますか?

間違いなく仕事選びの軸に関しては影響はありますね。サッカーに関しても、サッカーというものが好きというよりは、サッカーを通して得られるプロセスや要素的なところに自分の興味があるということに気がつけました。それはスポーツやサッカーという場所でなくて、仕事の場で追求できるなぁと思いました。それがあるから今は1社目で感じた違和感とかは全くなく、むしろ仕事に対して前のめりに取り組めているし、没頭できているなと感じます。そういう意味ではドイツに留学した経験も活きているなと思いますね。

いいですね。ドイツ留学によって自分のモチベーションを上げる方法を知れたような感じですね!

遅いんですけどねw
普通ならみんな大学卒業するときまでに備わっているみたいです。自分の場合は、実際の社会生活の中で見つけていったという感じで、あんまり人にはおすすめできないですけどね笑

これ別に偏見でもなんでもなく、大学の体育会でガチでやっている人たちってそこまで考える余裕ってあるのかなって思ってしまうんですど、どうですか?

そうですねー。確かに難しいところもあると思います。
だから今はそれがやりがいにもなっているかなって思います。
あの時教えてくれる人いなかったなって思い、そういう部分を伝えられる人になりたいなぁ〜って。ちゃんと教えてくれる人がいれば、自分みたいに1社目から彷徨うことなく、自分のやりたいところにバッチリハマることができるんじゃないかって。元々はエージェントみたいなことってあまり好んでいなかったんですけど。。。コーチとか、監督みたいで。でもやってみたら意外といいじゃんって思いました。
今後の展望

今後はどうなりたいとか展望はございますか?

展望。。。
それで言うと、展望を持たずにもの前のことに没頭できている時が、自分の将来やりたいことに近づいているなって思いますね。高校生の時はプロになるためにどうしたらいいとか考える前に、根本的に「なれる」って信じていて、むしろなるしかないくらいに思って行動できていました。しかし大学4年生になるにつれて、プロになるためにやらなければいけない目の前の細かい目標を設定することに力を使ってしまってたことがありました。その経験から、自分の中で目標を立てないと動けない状態って理想的ではないというか、今やっていることの延長線上で自然にどこかにたどり着く形の方がいいのかなって思います。今は余計なことを考えずに行動できているので、多分これは間違っていないんだろうなという感覚はあります。

今にフォーカスして楽しんでいるような感じでしょうか?

あまりいいことかどうかわかりませんが、将来のことはよくも悪くもよく分からないじゃないですか。なのでそういって感覚があるのかもしれません。

将来の自分を作るのも結局自分ですし、
今を大切にして生きると考えることに共感できます。
海外挑戦を考えている人たちへ

キャリアを捨てて、これから海外に挑戦しようか悩んでいる人たちにアドバイスはありますか?

んー。。。
今は正直状況的に進んでいった方がいいとは思っていません。なので手放しで留学した方がいい経験できるよとか言えないです。ただ、このコロナ状況が落ち着いてからも海外に行こうって考える人の数は、恐怖心などから減ると思うんですよ。そうなったらむしろ僕はチャンスだなって思います。

むしろ見られるチャンスが増えると言う解釈でしょうか?

コロナ以前であれば、海外に出て挑戦するってもっとカジュアルに考えられていたと思いますが、たとえコロナが終息した後でも、海外に行くこと自体がリスクと考える人たちが出てくると思います。そうなった状況でもそこを突破できる人材って少数だなって思っていて、その決断に価値があると僕は思います。間違えていただきたくないのが、海外に行くことに価値があるという訳ではなく、人が間違いなくリスクだろうって思うことや、今の位置にいる方が安全だよって思うときにあえて踏み出す人って、それ以上のものを得られると思います。

間違いに落ちやすいポイントですね。

自分の人生哲学的なことをお話すると「捨てた分だけ入ってくる」みたいなところがあって、もしそこにいたら得られたはずの収入であったり、結婚の時期であったり、自分が大切にしていたものだったりを失うかもしれませんが、捨てた分だけ反対に得られるものも大きいんじゃないかなと思います。なので、今の時期感や選ばなさそうな選択に対してむしろ旨みを感じれたり、面白さを感じれる人であればあるほどいい経験ができるのではないかと思います。故にそこで得るものは誰にもマネできないものになると思うので、積極的にチャレンジして欲しいと思います。

日本にいると少数派になることを嫌っている人たちが多いように感じますが、結局上に上り詰める人って少数派からだったりしますもんね。
まとめ
自分のことを俯瞰的に捉えて、分析ができている方だと感じました。
皆さんも記事を【第一部】からご拝読いただいていたら思うかもしれませんが、とても真面目で
どこにいても物事に対してきっちりと向き合い、いわゆる王道を通りそうな方だし、通れる方だと
思います。
しかし、ドイツ留学というおそらく堀本さんの人生史上トップクラスのイレギュラーが
堀本さんの中で起爆剤となり、今の活き活きとしている姿を形成しているのかと思います。
人生の数は人の数だけ存在しますが、それは自分で作り上げるものです。
誰かが作ってくれた人生の線路を走るより、自分で作った線路を走る方がきっと楽しいし、
どこに向かうも自由です。
Menschはこれからも留学経験者から生の声を吸い上げて、一人でも多くの方に真実と可能性を
お届けしたいと思います。
ぜひこれからも引き続き注目していただけると幸いです。
bis nächstes mal ciao ciao
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